高血圧の原因は?
動脈硬化の要因の一つである高血圧。一般に、最高血圧が140以上もしくは最低血圧が90以上の状態が、高血圧とされています。
※ 最高血圧が130~139もしくは最低血圧が85~89の状態は正常高値血圧とされ、高血圧ではありませんが注意が必要な状態と言われています。
その原因には、遺伝因子と環境因子があります。
遺伝因子はその名の通り親から遺伝するものなので、自らの意思でその因子を取り除くことはできません。一方、環境因子は食生活や生活習慣などを指し、それらを改善することで高血圧の因子を減らし、発症を遅らせたり、上がってしまった血圧を下げたりすることができます。
環境因子には塩分摂取・アルコール・肥満・運動不足などがありますが、中でも特に気をつけなければならないのが、世界と比べても多いと言われている塩分の過剰摂取です。
高血圧の対策のために-減塩と栄養素の働き-
1. 塩分量を減らす
塩分の摂取量を制限すると、血圧が下がることは多くの研究で明らかとなっています。
食塩相当量において、1日の摂取目標量は、18歳以上男性で7.5g未満、18歳以上女性で6.5g未満とされています(※1)。しかしながら、実際の摂取量は20歳以上男性で11.0g、20歳以上女性で9.3gとなっており(※2)、いずれの基準値も大幅に超えている状況です。
※1 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より 18歳以上の値
※2 「平成30年「国民健康・栄養調査」」より 20歳以上の値
※ 摂取量:「平成30年「国民健康・栄養調査」」より 20歳以上の値
個人差はありますが、一般的に食塩摂取量を1日1g減らすと、血圧は0.5~1下がると言われています。1日の食塩摂取量を減らし、高血圧を改善していきましょう。
「塩分ひかえめ」レシピはこちら
2. カリウムを十分に摂取する
カリウムは体内の塩分(ナトリウム)を排出しやすくすると言われています。
カリウムの1日における目標摂取量は、15歳以上男性で3,000mg、同女性で2,600mgとされています(※1)が、実際の摂取量は20歳以上男性で2,454mg、同女性で2,282mg(※2)と、いずれも目標量に達していないのが現状です。
※1 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より 18歳以上の値
※2 「平成30年「国民健康・栄養調査」」より 20歳以上の値
※ 摂取量:「平成30年「国民健康・栄養調査」」より 20歳以上の値
カリウムは、一般に海藻類・果実類・いも類・豆類などに多く含まれていると言われます。積極的に食生活に取り入れていきましょう。
「カリウムが摂れる」レシピはこちら
※ 腎臓の機能が正常な方は、カリウムのサプリメントなどを使用しない限り過剰摂取にはならないと考えられていますが、腎臓の機能が低下している方がカリウムを過剰に摂取すると、カリウムがうまく体外に排出されず高カリウム血症となり、重篤な場合は心停止に至ることがあります。腎臓に不安のある方は医師にご相談ください。
3. マグネシウムを十分に摂取する
高血圧予防に欠かせない栄養素にマグネシウムがあります。
マグネシウムは血液循環を正常に保つのに必要な栄養素と言われています。
マグネシウムの1日の摂取推奨量は、18~74歳男性で340~370mg、同女性で270~290mg(※1)とされていますが、実際の1日平均摂取量は20歳以上男性で270mg、同女性で242mgと不足気味になっており(※2)、いずれも目標量に達していないのが現状です。
※1 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より 18~74歳の値
※2 「令和元年「国民健康・栄養調査」」より 20歳以上の値
※ 摂取量:「令和元年「国民健康・栄養調査」」より 20歳以上の値
マグネシウムは、一般に海藻類・種実類・穀類・豆類などに多く含まれていると言われます。 積極的に食生活に取り入れていきましょう。
「マグネシウムが摂れる」レシピはこちら
※ 腎臓の機能が正常な方は、マグネシウムのサプリメントなどを使用しない限り過剰摂取にはならないと考えられていますが、腎臓の機能が低下している方がマグネシウムを過剰に摂取すると、マグネシウムがうまく体外に排出されず高マグネシウム血症となり、重篤な場合は心停止に至ることがあります。腎臓に不安のある方は医師にご相談ください。
- 食品を摂取することにより疾病が治癒することはありません。身体に不安を抱えている方は、必ず医療機関へ相談してください。
- 栄養素を一度に多量に摂取することで病気のリスクが減ったり、より健康が増進することはありません。バランスの取れた食生活を心がけましょう。