生育する環境が昆布のいろいろな区分に影響するため、産地が銘柄となります。
昆布の国内生産量はほとんどが北海道から採取されており、全体のほぼ95%に相当します。青森、岩手、宮城県の東北3県では5%前後となっています。
昆布は、日本では14属45種あり、全世界では、北半球に26属、南半球に9属生育しています。寒流系の褐藻類である昆布は、日本では宮城県以北の太平洋岸と北海道全域に分布し、とくに北海道が主産地となります。
日本沿岸における昆布の分布を見ると、寒流(北海道の太平洋の親潮)の流れる沿岸部では、長昆布、日高昆布、羅臼昆布等が見られ、対馬暖流の北上する日本海沿岸や、オホーツク海沿岸は細目昆布、利尻昆布が、また暖流と寒流の交錯する噴火湾から津軽海峡の沿岸には真昆布が成育しています。
厚葉昆布
がっがら昆布とも呼ばれます。長昆布と同じ地域に生息しています。その名の通り、葉に厚みがあるのが特徴です。
[加工品への利用]
佃煮昆布、塩吹き昆布、おぼろ昆布、ばってらなどの加工用として利用されています。
[形状]
葉の長さは2m~5m程度。黒色で白粉を生ずるものが多い。葉巾がひろく肉厚。中帯部は明瞭でなく両縁部は厚く狭い。
[生息地]
長昆布とほとんど同じ地域に生息。長昆布が波の荒い場所を好むのに対し、島や暗礁の陰、海底の凹地等、波の直接当たらない深みが生育場所です。
その他地域の昆布の特性
青森県
大間地区のこんぶはやや褪せた色という特徴があります。下北昆布は独特の風味があります。
[昆布の種類]
真昆布、細目昆布
[生息地]
下北半島の北側(津軽海峡)には真昆布(通称下北昆布)が多く、津軽半島及び下北半島の東側(太平洋側)に細目昆布が多く生息しています。
岩手県
近年はわかめ養殖施設に自生する養殖昆布が出回っています。細目昆布と真昆布が混在生産される浜が多くなっています。
[昆布の種類]
真昆布、細目昆布
[生息地]
県北部より、宮古、釜石付近までに真昆布が多く、県南部には細目昆布が多く生息しています。
[加工品への利用]
手加工材料として使用されます。
宮城県
[昆布の種類]
おもに細目昆布
[生息地]
県北部気仙沼付近から牡鹿半島にかけて生産されます。